●シフト&サイドブレーキのブーツを自作
革巻きハンドルに合わせシフトノブも革製に変えたら、今度はゴムゴムしたジャバラのシフトブーツを変えたくなる。
製品を探してみても、高くて買う気になれない&高くて買えない!・・・そこでDIYをすることにした。
自作している人もいるようだし、カプチーノのシフト&サイドブレーキブーツを見ていると、裁縫さえ出来れば作れそうだと思い、設計図のようなものが無いか探すが特にない・・・
採寸して試行錯誤しながらシフトブーツの型紙を作ってみた。だが肝心の“生地”がなかなか見つからない。ストックしてある本物の革では厚すぎるし、レザー合皮の生地も少し厚い・・・革でも合皮でも、もっと薄い生地が安く売っていないか探し、ようやく見つかったのがフェイクレザー(ポリウレタン100%、幅50×長さ200mm)・・・格安500円! 薄いのでゴワつかず表皮もジムニーのシートなどに似たツヤでピッタリ合う。
かなり前から構想はあったが、素材探しと素材決定に時間がかかった。さらに実作業は“気分次第の外注さん”まかせなので、完成まで時間がかかってしまった・・・
シフトブーツ編
▲採寸から図面をおこしてみる 本物を参考に、各パーツの縫い合わせを考える▲
カプチーノのシフトブーツを見ると4つのパーツで構成されているが、全て縫い合わせてから、最後のステッチを入れるのにミシンでは入らない。そこで前後左右4パーツの後側を半分にして、5つのパーツで構成してみた。
レザー加工などの専用ミシンも無いし、手縫いなどでステッチを入れる手間もかけられないし、技術も無い。
裁縫は外注(ヨメ)に任せたい・・・
外注先と可能な縫い方について相談、ミシン縫いでテスト・・・コレが本物の革なら“手縫い”になるだろうけど、薄いフェイクレザーなので家庭用ミシンでステッチ風のアクセントを付けてみることにした。
型紙をフェイクレザーのウラに貼り付けて、ミシンでウラを縫い合わせてゆきます。
縫い合わせた余白を開き、黄色の糸で“ステッチ風”に縫ってゆく。(“余白”は多めの方が縫いやすい)
ミシンを使っているとはいえ、初めての作業・・・
ステッチのラインもヨレて、手作り感満載です
カプチーノなど見るとステッチ糸も太いが、
家庭用ミシンでは細い糸が限界
3本縫い(ミシンが往復)も試してみたが、さらにヨレて見栄えが悪くなった
ミシンが往復しながら進むので、どうしても曲がるらしい
黄色で目立つし、1本縫いで細いステッチラインです
ブーツの四隅に入るステッチを入れ終わったら、最後の縫い合わせ。
シフトの後側になる面に縫い合わせが入るというだけで、さほど気になりません。
アイロンもかけられないし、ステッチは入れないので縫い合わせが膨らみます。そこでステッチの替わりに「両面テープ」を貼ってウラのミミをピシッとさせます。布用ボンドなどでもいいのかな。
シフトブーツの裾をゴムが通せるようにしておき、
100均でみつけたフリーサイズの丸ゴムを通す
“ヘアバンド”用、約3mmほどの太いゴムです
太い方が切れにくい?かどうかは分からないが、
配線に使う“ギボシ端子”を使うため太めを選択
配線のような太いゴムをギボシ端子で圧着して連結
普通に結ぶなら細いゴムのほうがいいかな
外注先に色々と注文しながら完成・・・
型紙作っても、修正しつつ縫ってたら色々変わった
図面通りには出来ないものです・・・
シャフトの太さより“首回り”がやや太かったが、
首回りをスッキリさせる?のに“カラー”を作った
本体の縫い合わせ隠し?とアクセント
リング状にパーツを作り、首に巻いて手縫いで合体
最初の設計図より全体を少し短くしたので、
色々と修正しているウチに、高さがギリギリ・・・
(ジムニーはインナーのシャフトブーツもジャバラ・・・この中にもシフトブーツがあと2つ隠れてるのだ)
ジャバラブーツが“マトリョーシカ”のようにあるジムニー、味気ないジャバラブーツを交換です。
・・・ではなく、まず、そのまま上からカバーしてみたw
そのままカバーで十分かも・・・ジャバラの上からだとちょっとピチピチサイズですが・・・
太くなってしまった“首回り”も、細工したおかげでシャフトにフィット。
ゴムはジャバラの一番下の凹み段にかければカバーもピッタリフィットです。
本革のシフトノブと比べると明らかにフェイクなカバーですが、ジャバラムキ出しよりスッキリした。
ちなみに、ジャバラブーツを外すと雰囲気は出るのだが・・・首元がユルくて少しダラしない感じ。
なので、ジャバラブーツをそのままにして、カバーするスタイルで行ってみることにした。
サイドブレーキ編
ノーマルは切り込みが入ったラバー製のカバー、これでは中に小銭など落としてしまいます。
シフトブーツ=カバーと同じ素材でブーツを作るのですが、まずノーマルのカバーを外します。
試しに一カ所だけ引っ張ったらピンが折れた・・・非常にモロい・・・
ピンの先を熱で溶かしてラバーを押さえているだけの安易な構造です。
カッターで溶けたピンの先を削って、ラバーの穴からピンが抜けやすくなるようにし、カバーを外した。
サイドブレーキを引いた時と戻した時の寸法を測って、適当なサイズで作図してみる。
単純な1枚モノ、三角巾のような形状にレバーを通す穴を設けて作ってみる・・・まず試作品です。
カプチーノのサイドブレーキカバーを見ると2ピース構造で縫い合わせていますが、
なるべく作業をシンプルにするため、背に入ったステッチはダミーです。
立体になるので紙では上手く型取りできないので、この試作品を元に「ピンの位置」など割り出します。
フェイクレザーをピンに通し、その上から元のカバーを取り付けるだけで、ほぼ固定できた。
実際にセットしてみる・・・引いた時はいいが、戻した時の長さが足りない。
穴の後ろ側まで約20cm、フェイクレザーも薄いのでレバー下ろした時のダブつきは問題ナシだが、
もう少し改善した方がよさそうなので、やっぱりカプチーノのサイドブレーキを参考にしてみる。
裁縫は外注さんの気分とおヒマな時間次第なので、自分が出来る作業、折れたピンを修正することにする。
ピンの代わりに使うのは、配線を押さえる小さなフック金具を使います。
頭に浮かんだのは、くつ下を買うと付いている小さなピン。挟んで固定させる方法です。
金具を切って折り曲げて、ワニグチ状にして本体に取り付けてやれば完成。
パテでガッチリ固定してしまえば外れないだろう。
最終決定
最初の「一枚構成」では上手く縫えない部分もあるし、残る材料を有効に使いたいこともあって、2枚のパーツを縫い合わせて加工することにしたが・・・
図面も作らず変更していったせいか、外注さんの勘違いで、長さが寸法ギリギリになってた・・・
作り直すのも面倒だし、材料もムダにせず有効に使いたいので“増築”することにした。
たぶんギリギリ間に合うハズだが、余裕が無くて調整も効かないので付け足しした。
▲試作品からピンの位置を記す 図面は手描きメモを後から図面にしてみたもの▲
カプチーノを参考に、ブレーキレバーを出す部分にマジックテープを縫いつけた。
“首回り”は和服、着物の合わせのようになります。前の下側は縫いつけてステッチなし。
内側ピンに取り付けてみるが、どうしても余り気味でダブついてしまうが、創作自作なんだし、こんなものか?と、このまま使って問題なければ、これで完成〜。
少々ゴワつきますが、元のスリット穴だけより、よっぽどマシかな。コレが厚手のフェイクレザーだとサイドブレーキを下ろした時に突っかえそうだけど、薄い生地なので気になりません。後はサイドブレーキのグリップだ・・・
サイドブレーキ・グリップ編
ブーツ、カバーに合わせてサイドブレーキのグリップにもフェイクレザーを巻こうと思い、フェイクレザーを「筒」状に加工。
グリップの円周を計り、筒の径を約8.4cmにしてピチピチ仕上げ、筒の前後にはタックを入れて少し“すぼめて”ある。
フェイクレザーは少し伸縮するので、ピチピチなカバーをグリップにムリムリと“はかせて”完成。馴染んでくると少々ユルくて動いてしまうが、手触りは良くなったかな。
<2012.7>
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