●リアシート:リクライニング改造
この小さなジムニーで少しでも快適に仮眠、車中泊できやしないか?ひとり旅であれば助手席に1人用ベッドを設置するなど余裕ある方法があるが、2人が寝るには雑誌やネットで色々調べても、シートをたたんでフラットになるようにベッドを設置するとか、リアシートを撤去するとか、皆さん苦労して大がかりなDIY細工をしている。
ジムニーはヘッドレストを外しフロントシートを倒せば、一応フラットになるのだが、リアシートはラゲッジスペースに奥行きが無いためほとんど倒れずフラットにはならない。ヘッドレストを外せば、まだ倒せる余裕があるのだが・・・
みんカラなど調べても同じ改造を実行してる詳しい例が無かったが、シートを外してリクライニングの構造さえ分かれば何とかできるだろうと、雪解けを待ってシートを取り外し、リアシートのリクライニングを変えるてみることにした。
リアシート座面の固定は、シート前側の下2カ所、
左右のクリップが刺さっているだけで、
持ち上げると簡単に外れる構造。
▲画像:左/シート前側のウラとボディ側の座金↓ 画像:右/後ろ側の留め具○▲
よく確認せずに持ち上げたら、思わず座金ごと持ち上げて曲がってしまったほど、簡単ペラペラな座金。
覗き込んで手探りしてみればわかります。シート側だけ持ち上げればクリップは簡単に外れる。
前2カ所が外れたら、シートを手前に引き、後ろ側の留め具からクリップが抜けてシート座面を外せた。
シートバックの固定はセンターにあるカバーを外せば4本のボルトが見えてくる。
カバー前側をツメ2カ所で外し、カバー本体は広げるようにして後ろへ引き抜く。
▲左:後ろ側に外したカバー本体 右:窓側のシート固定▲
センターのボルト4本は普通に外せるが、窓側の固定はシートに食い込むようにナットが入っている。
ボディからボルトが突き出ていて、そこにシートをナットで留めているだけ。
センター4カ所のボルト、両サイド2カ所のナットを外せば、リアシートをボディから外せる。
外したシートのリクライニング可動部
↓矢印の部分がリクライニングの限界点
これを削って位置を変えれば、さらに倒れるハズ
リクライニングのアームを外し、
ボルト2本で固定された可動部をシートから外す
そのままで削ってみたが、グラインダーがちゃんと入らないので、やっぱり分解です。
2枚のプレートは太いリベットで固定されてるので、まずリベット頭をグラインダーで削る。
プレートとフラットになるまで、リベットのヘッド両側を火花飛ばしまくって削ります。
ハンマーでコンコンと叩けば、
2枚のプレートが分離
リベットは外すつもりだったが、
新プランを思いついたので、そのまま付けておく
いよいよリクライニング角度の変更
赤色↑矢印が元の位置
黄色↓矢印までカットしてみる
グラインダーをうまく使って切削
リベットの芯はそのままにし、
ドリルで6mm穴あけ
プレート分離前に穴あけしておいた
穴が芯のセンターより少々ズレてるが
加工には問題ないので気にしない
プレート2枚を組んで、リクライニングの可動を確かめる。
赤色↓矢印が、削った部分よりも数ミリ先に当たって止まるが、ほぼピッタリだった。
組み付けは、リベット芯に開けた6mm穴にM6ボルトナットで固定(画像:右▲)
太いボルトを使うより、元からあるリベットの方がピッタリなワッシャ代わりとなる方法です。
全てを組み付ける前に、グラインダーで削ったカ所は軽くヤスリがけして筆塗りで黒塗装しておく。
外す行程の逆でシートを組み付け、
リクライニングしてみる
・・・シートが外まで倒れました
星空観測にはイイかもしれません
改造前のリクライニングの撮影を忘れましたが、たぶん・・・このくらいかと(画像の右リアシート)
リクライニングを改造したことで、ヘッドレストを外せばリアドアに着くまで倒れます。
横になってみると、画像で見る以上に改造前と比べフラットに近い状態になりました。
クッションで調整するくらいで十分眠れそうです。これなら、ベット設営など重装備しなくても寝られます。
ベッドのフラットには及ばないが、飛行機や列車の指定席、歯科や床屋の椅子で寝る感じかなw
問題は、2人が持つ一眼デジカメやレンズなどの撮影機材、多めの荷物を狭い室内に置いたらどうなるか?
ラゲッジルームのスキ間もわずか、シート下のスキ間や短いヨメの足元・・・残るは室内空間の上部。
荷物が少なければ問題ないが、外に積めないモノを上手く積み込む工夫の方が難関である。
<2012.5>
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