PAJERO vs JIMNY !!!   ●画像クリックで拡大表示
 ●維持費   ●室内比較   ●車体比較   ●パワー比較   ●性能比較   ●JB23W5型〜の特性
 20年で4台乗り継いだパジェロと、ジムニーのデータ比較(カタログ参考)

MITSUBISHI PAJERO
METALTOP WIDE XR-II
  1995
SUZUKI JIMNY
X-Adventure XC   
  2011   

 クルマの価格や価値よりも、現実的に最も重要になるのが、クルマにかかる諸費用やガソリン代を含めた「維持費」。
 メイン・クルマのダウンサイジング(小型化)によって、実際どれくらいの差が出るのかを検討してみた。

■維持費
 自動車税
 車検費用合計
 重量税(24ヶ月)
PAJERO
56.100円
135,000円(最安額2007年参考)
63,000円
JIMNY
7,200円
60,000円(2010年カプチーノ参考)
7,600円
差 額
ー48,900円
ー75,000円
ー55,400円
 パジェロジムニーの大きな違いは基本的に最低限必要になる維持費、「税金額」と「車検の費用」だ。
 車検時に大きな差が出るのは「重量税」だが、何も修理・交換が無くても軽く10万円越え・・・エコ対象とはかけ離れた16年前のパジェロは“減税対象外”なうえに、古いクルマは大事に乗ってても「任意保険」が高くなる。経年劣化などで修理する箇所も増え続けるし、年式が古いとパーツ1つ1つも高くなってくるから、多く見積もっても・・・年間10万円位の差が出る可能性がある。頭では解っていた事だが改めて計算してみると、この不況下で複数のマシンを所有しながらパジェロも維持するには、負担が大き過ぎることを考えさせられたのだ。軽自動車2台、中型バイク1台、小型バイク3台・・・ジムニーに変えると、全マシン合わせてもパジェロ1台よりも安い維持費になってしまうのです。


次に、普段ダイレクトにサイフに響くのがガソリン代。これを記録している給油と走行距離のデータから、パジェロのガソリン消費を検証してみた。
 比較は、週末の長距離ドライブがカプチーノやバイクであった「2010年5月」と、通勤や買い物の他に長距離ドライブなども全てパジェロで走っている「2011年5月」からザックリと計算した。

■2011年5月PAJEROのみ
 給油回数/5回
 総  量/204 L
 金  額/24,998円
 走行距離/2,143km
■2010年5月合計
 給油回数/5回
 総  量/160 L
 金  額/20,305円
 走行距離/2,506km
(PAJERO
(2回
(105 L
(12,282円
(503km
カプチーノ
1回
15.5 L
2,293円
524km
GSX400
2回
30.8 L
4,557円
911km
ビラーゴ125)
1回)
8.5 L)
1,173円)
568km)
 
 「2010年5月」と「2011年5月」とでは、ガソリン代に一月で約5,000円くらいの差がでた。
 走行距離と給油量から単純な燃費の計算をすると・・・
 2011年5月/パジェロがリッター7.5km、2010年/全マシン合計がリッター15.6km の計算になる。
 給油前のガソリン残量やガソリン価格(2011年は石油価格が3〜7円高い)、ドライブ目的地も違うので正確な比較とは言えないが、通勤から長距離までほぼ似た行動パターンから、長距離を走って燃費が伸びたとしても、パジェロの燃費が他よりかなり悪いということがわかる。今まで通り、このペースでドライブシーズン5月〜11月をパジェロだけで走ったとすれば、7ヶ月分で3万円以上高くなる計算だ。
※2010年のパジェロデータを、ジムニーの40Lフル満タン(レギュラーガソリン単価140円の計算)を2回で11,200円と仮定して置き換えても、大きな差は無いだろう。
 例年ならパジェロで長距離ドライブも少ない3月〜5月だが、2011年は「乗り収め」と「室蘭の実家通い」で長距離に出る回数が多くて例年のほぼ2倍強になった。パジェロだけでガソリン代の3ヶ月平均が2.6万円、2010年ドライブシーズン5月〜11月の平均は2.2万円・・・他マシンを廃して全てパジェロだけで走ったとしたら、小遣い全てがガソリンとタバコ代で消えてしまう!または赤字か?と愕然とした。
 最初の頃は、バイクとパジェロだけで電車通勤の会社だったから気にならなかったが、毎日パジェロに乗ってる今はガソリン代の負担が大きすぎるのだ。

 維持費とガソリン代を合わせれば、年間約13〜15万円くらいは違ってくる計算になる。収入が減っているのに、税金をはじめ何でもかんでも値上げの時代が続く世の中、この額は大きい!バイクの維持費なども考えれば、半端に維持費がかかる小型車などではなく、軽自動車の選択がベストなのは確実になった。しかしジムニーの場合、軽自動車と言ってもイジりたくなるクルマ。誘惑の多いジムニー、最初はカスタムに出費が続きそうだ・・・
 パジェロとジムニー維持費の差額分でローン返済とまではいかないまでも、6年のローン返済が終われば、すこし余裕ができるのかな?それとも景気に相殺されて生活に変わりないか?いづれにせよ、可能なモノは切り詰めていかなければ、バイク&カーライフの現状維持は難しいことになる。
 (2011.6)
▲TOP



■室内寸法
 長さ:
 幅:
 高さ:
 乗車定員:
PAJERO
1685mm
1410mm
1210mm
5名
JIMNY
1660mm
1220mm
1210mm
4名
比較結果
ー25mm
ー190mm

0mm
ー1名
 大きな車から軽自動車に乗り換えて、一番気になるのが室内の広さ。ショートボディでも大きいイメージがあるパジェロも、数値上ではジムニーと大差が無い!?・・・さすがに室内幅は20cmほど狭くなるが、インパネからリアシートまでの全長もほぼ同じ、室内高はデータ上まったく同じですが・・・
●室内空間・乗降
 実際ジムニーに乗ってみると、室内幅の違いでパジェロより全てが一回り小さく感じる。さすがに隣人との距離が近くなり、車内で動くには空間に少々ゆとりがない気もするが、前部座席なら狭さを感じるほどではなく、パジェロとほとんど変わらない感覚。シートに座ると視点はパジェロより頭一つ分くらい低いジムニー、見晴らしが低くなった感じだけど乗り馴れてしまえば気にならなくなるかな?

 パジェロより室内の床面と地面の距離が近く、シートの座面も位置が低くなるジムニーの乗降は普通車のように感じるが、パジェロはサイドのスカッフプレートより床面が上にあり、ジムニーの場合、床面が下がって“浅いトレイ”のような構造になっている。パジェロより“敷居”が高いサイドなのでスッと足を出せない感じだ。
 床面を下げることでも?室内高を稼いでいるジムニーに対して、17cmほども背が高いパジェロ室内の床面は、地面から更に高い位置になる感じだ。身長176cmの自分でも、足を高く上げて乗り込み、つま先立ちでやっとシートに収まる。ノーマルのジムニーなら、足も余裕ある状態でシートに座れる。

●シート、ポジション
 基本乗車スタイルがほとんど変わらないせいか?あまり違和感は無い。だがシートとハンドルのポジションも細かく調整、フルアジャストできた豪華仕様のパジェロのシートに比べ、ジムニーは基本的なシートの前後・角度調整のみ。ハンドル角の調整はいいとして、シート背のホールド具合をこまめに変えることが出来ないので、身体のコンディションに合わせて色々変えられなくなったのが辛い。
 ジムニーの後部座席は、前倒だけで荷室をフラットにするため、初期型より座面が平滑になった。レザー風のシート素材は滑るし沈み込みが浅く“尻の座りが悪い”ので、乗客がある時はクッションなどで工夫した方がよさそうだ。


●定員
 パジェロは5人乗りだが、リアシート両端がタイヤハウスの上にあり傾斜しているから、大人3人乗ると両側はかなり窮屈な体制になる。大人がゆったり乗るなら実質2人だ。今後も人を乗せる機会が少ない我が家では、4人乗りの軽自動車でもあまり影響は無いハズ・・・しかしジムニーの場合、ドラポジが少しパジェロと違うのか?前席を余裕ある位置まで下げると、後部座席の足下のスペースはパジェロより狭くなる。

●シートアレンジ
 パジェロはショートボディでもシートをフルフラットにできた。本格的に2人車中泊(仮眠程度?)にチャレンジしようとブームになる前から考えていて、色々と準備してたが一度も「車中泊旅」することなく終わった・・・
 パジェロの場合は、後部座席ヘッドレストを外せば、ほぼ完全にフラットにできた。しかしジムニーの場合は荷室の奥行きが短いため、後部座席が完全にフラットに倒れない。ジムニーで車中泊はキビシイかと思ったが、後部シートを前に倒して荷室がフラットなるように改良DIYでもすれば、少々窮屈だが2人で車中泊もできそうだ。横幅が少なく狭いので、荷物や装備をもっと工夫すればパジェロと差がないかも知れないが、寝返りできないかな?


●収納スペース
 モデル3代目ジムニーJ23Wからインテリアも普通車っぽく進化したが、最近のクルマにしては収納が少ない。パジェロもあまり変わらないのだが、全てがミニマムサイズなので、今まで入れていたモノが入らなくなった。
 MT車に装備されたカップホルダーは、サイドブレーキ後方の低い位置にあるだけで、使い勝手は良くない。助手席側ダッシュボードもエアバッグがあるので、モノを置いたりカー用品を取り付けるにも制約される。制約された狭い空間でナビの取付にも工夫が必要だ。
 室内長はほぼ同じでも、後部座席の背後にあるラゲッジスペースは、幅も狭くなるし奥行きが浅くてスペースは狭くなった。また座席を前倒すると段差が出来るので、荷室がフラットにならない。シート背とラゲッジスペースの段差をフラットにするために、ラゲッジスペース床に細工は必要になりそうだ。

●車載工具
 パジェロには、タイヤ交換に使う油圧ジャッキの他、リアドアにフルセットで工具が収納されている。ほとんどガレージ作業で済んでいるが、もし出先で何かあったと思うと、必要な工具は揃えておきたいものだ。ジムニーはパンタグラフのジャッキとレンチだけ・・・>すぐに必要最低限の工具を揃えて装備した(クリックで揃えた工具画像に変わります)


●品質
 工業製品すべてに言えることだが、90年代までは豪華さを目指して造られてきた国産車も、時代と共に材質も安っぽくなってきてるように感じる。造りも部品点数を最小限にして簡略化され、海外メーカーのように合理的に進化してきた感じだ。
 90年代のパジェロの室内は凝った造りと材質にも金をかけて豪華そのもの、アナログ品質が残るインパネの操作系もスイッチ一つ一つ手が込んでいた。同じ<スズキ>軽自動車のカプチーノの方が、古くささがあるが造りは良く思える。
 軽自動車の品質も良くなってきたとはいえ、現代の自動車は内装パーツに使われる材料も種類を減らし、プラ系パーツも割れにくく、柔らかくてクッション性があるポリプロピレンなどが多く使われ、構造や組み立てもシンプルに造られているようだ。インパネの操作系スイッチ類なども、印字される文字など簡略化されてて、シンプルと感じるか安っぽいと感じるか?・・・80〜90年代の日本車と比べると、プラ系材料の質感の違いなのか、どれも微妙にオモチャっぽく感じてしまう。(80年代後半頃に欧州車の完成度に追いつこうと、プラ系パーツを多用したアメ車を思い出す・・・)

●メータパネル
 インパネでの大きな違い・・・ジムニーはスピードメーターとタコメーターが逆!?これはウチのバイク・クルマとは違う。少し馴れないが、ちょっとレーシーな気分?右側にトリップメーターがあることで、ハンドルに手を通さなくて良いように操作しやすく考えられてのレイアウトなのかな?
 ずっとアナログ時代のクルマとバイクだった我が家、2000年以降のデジタル時代に生まれたクルマはジムニーが初めてだ。見えないカ所で電子化も進化するジムニーだが、まだアナログ色が強いインパネ。しかし、トリップメーターが初のデジタル表示というだけで、80〜90年代のウチには違和感あるな〜・・・しかし、オドメーターの「ODO」表示くらい文字入れて欲しかった(w
 クルマもそのうち“スマートカー”とか言って、操作系はすべて集約されたタッチパネルになんかなって欲しくないが、ジムニーもキーをひねると、かすかなキーンという電子音が聞こえ、エンジンを「始動」というより、「起動」という感じで電気製品・・・工業高校機械科を卒業したアナログ派には触らせないクルマ!って感じだ〜(涙
▲TOP



■寸法・重量
 全長:
 全幅:
 全高:
 ホイールベース:
 トレッド(前後):
 最低地上高:
 車両重量:
PAJERO
4030mm
1785mm
1845mm
2420mm
1465mm/1480mm
225mm
1850kg(総2125kg)
JIMNY
3395mm
1475mm
1680mm
2250mm
1265mm/1275mm
200mm
980kg
比較結果
ー635mm
ー310mm
ー165mm
ー170mm
ー200mm/ー205mm
ー25mm
ー870kg
●ボディ&ガード
 ジムニーパジェロを80%縮小したくらいの大きさだが、全体的なボディバランスは基本的に同じ2台。車体が小さいから車高も低く見えるジムニーでも、「最低地上高」の数値やサイドボディ下部の高さがほとんどパジェロと同じだ。しかし、ボディ自体ヨコから見るとパジェロは地上から遥か高い位置になる。


 パジェロXRワイドはフェンダーも大きく張り出し、腰下がウレタン樹脂で覆われたボディで四駆ブーム当時に流行ったマッチョなバブリー四駆。張り出すバンパーや大きなフェンダーがグラマラスなボディ。
 比べてジムニーJB23は軽自動車の規格サイズ目一杯、ボディ角が丸みを帯びていても、ボディ全体は凹凸が少なく変化の少ない四角いボディ。今回の40th特別仕様車は側面にウレタン製ガードやプロテクター類も無いシンプルボディなので、「四駆ブーム」世代のパジェロ乗りとしては、もう少し見た目をゴツくて力強いマッチョボディに変えたい。それにしても、鉄板の厚さからして全然違う・・・ジムニーは薄くて軽いからか、ドアの閉まりも悪いよ・・・

 この世代までは前後バンパーが鉄メッキのパジェロ、社外プッシュガードも入ればヘヴィ級のボディ。ボディガード類もウレタン樹脂が分厚いから、木々が生い茂った林道も、積み上がった雪にもガシガシ突入できる。少々の事では凹まない。下回りもエンジン下部からトランスファーまで、ノーマルでもアンダーガードがしっかり装備されている。
 しかし時代と共に、衝突安全性や環境を考えてか?クロカン四駆たちの重装備も無くなった。ジムニーのボディも普通車と同様に、鉄骨なしでソフトなウレタン製バンパーのみ、しかも下回りはガードも無くスカスカ・・・このまま悪路を爆走して下からの何かヒットしたら、エンジンルームやトランスファーの細かな配線や配管、センサー系の部品など簡単に壊れそうだ。ロッド類などヨコ向きの部品もやたら多いから、ジムニーの下回りはヒットしたら破損する危険がいっぱいだな・・・

▲パジェロ(左)とジムニー(右)の下回り
 じゃあ外観はパジェロのように!と思ったら、どうやら「外部突起規制」とやらで同じジムニーでも近年の登録車は、ごっつい鋼鉄製ガード類や樹脂カバー類、外付フォグランプなど何でもかんでも付けられないようだ・・・四駆ブーム世代にとっては何とも寂しい限りだが、アンダーガードはすぐに装備しなくては安心して悪路を走れない。

 軽自動車としては重たいと言われるジムニーだが、歴代パジェロに乗ってきた者にとっては軽すぎるクルマ。車重はJB23でもパジェロの約半分で軽いし、小さいボディなので狭い林道や小道も小回りが効いて入って行きやすくなる。ジムニーがオフロードで最強と言われるのは、その身軽さゆえの機動力。ノーマルでも十分な性能が備わっているはず・・・
 毎日の通勤や生活、ドライブでたまに林道などオフロード走行とオールラウンドに使うジムニー。足回りもオールラウンド走行に支障が出ない程度に車高を上げて、外観上の見た目と走りも良くなればよいかな。

●フェイス
 顔も車体も威圧的だったパジェロから、ちっちゃいくせにお目々パッチリなファニー顔のジムニーで走ると、イジめに遭いそうだね・・・
 パジェロより大きい目(ライト径)のジムニー、今までバイクもクルマも、ハロゲンヘッドライトが普通だったから“マルチリフレクター”は初めて。今でこそ“HID”が主流になってきているが、パジェロに比べたら段違いに明るい!
 そもそも“HID”の青白い光は好きじゃない。特に対向してくると、眩しくて腹立たしい。やや黄色っぽい温かみのある光が好きなので、明るくなった“マルチリフレクター”で十分満足。ただ、やっぱり見た目はパジェロの顔つきが好きだな・・・
▲TOP



▲エンジンのレイアウトは、まるっきり逆!
■エンジン


 ボア×ストローク:
 総排気量:
 最高出力:
 パワーウエイトレシオ:
 最大トルク:
 燃料タンク容量:

■性能
 燃費計算:
 最小回転半径:
PAJERO
水冷直列SOHC4気筒
ICターボチャージャー
95.0×100.0mm
2835cc
125ps/4000rpm
16kg/ps
30.0kg-m/2000prm
60リットル(ディーゼル)


約7km/l(※実質平均値)
5.3m
JIMNY
水冷直列DOHC3気筒
インタークーラーターボ
68.0×60.4mm
658cc
64ps/6500rpm
15.3kg/ps
10.5kg-m/3500prm
40リットル(レギュラーガソリン)


14km/l(※納車初の計測値)
4.8m
比較結果



ー2177cc
ー61ps

+0.7ps
ー19.5kg-m
ー20L



+7km
+0.5m
●パワー
 同じ路線のクルマなのだが、加速ならジムニーが速いし、オンロードでは軽快でありつつパワフルだ・・・
 重いパジェロも1代目:2400cc→2・3代目:2500cc→4代目:2800ccにパワーアップしたことで加速も良くなったが、ガソリン車に比べたらディーゼルエンジンは唸りを上げるばかりで加速は遅かった。だから軽のくせに重くて遅いと言われるジムニーでも不満に思わない。ノーマルでもトラック風味のパジェロより機敏で速い!

 排気量がパジェロの4分の1でも、パワー半分トルクは3分の1。
 パワーウエイトレシオ(重量÷出力)ではジムニーがやや勝る計算になる。(数値が小さいほど良い)
(※カタログデータと実際の重量は違うので、パジェロの重量を2000kgとして計算した)
 あくまでもカタログデータ比較だけど、パジェロジムニーも車体との比率を考えれば同等の動力性能を持っている数値になる。ならばオールラウンダーとしてのジムニーの走行性能はパジェロ同等かそれ以上になるかもしれない。
 トルクパワーで重たいボディを引っ張る重々しいパジェロに比べれば、ジムニーの方がスタートダッシュが良く、軽やかに伸びてゆく・・・パジェロ+カプチーノ÷2=ジムニーという不思議な感覚だ。オンロードでのドライブ感覚では、パジェロと大きな違いを感じさせないジムニーだが、パジェロよりもパワーが効率よくフルに伝わっている感覚だ。


 オフロードや雪道での粘りの走りはどうか?低速域ではディーゼルの特性の方がオフロードでは絶対的に粘り強くてイイだろう。ただ、5型から低速トルクが見直されたジムニー、クラッチワークと4×4切り替え操作に馴れれば、その小型軽量ボディが十分なパワーを発揮できそうだが・・・
 納車から2週間後、ATタイヤに交換してドライブ。ガマンできずに初代パジェロで昔よく遊んでいた浜へ・・・
 ジムニーは「傾斜計」が無いので分からないが、砂浜の道で最大傾斜20度??くらいの坂を登ってみた。坂の下で停車状態から「4WD-L」モードでストストと登ってゆく・・・パジェロに比べ細身のATタイヤが砂に埋まりそうな感じだが、良く走る。砂浜にあるコースのような道も浜もパジェロの“チカラワザ”とは少し違うが、小さなボディで見切りも良く、何の問題もなく今まで変わらない遊びが楽しめるジムニーでした。
※しばらくはこのまま乗って、林道&山道へ行くのはボディ改良とガード装備してからです。
 (2011.6)

●燃費
(2011年現在)レギュラーガソリンと軽油の価格差も縮まり、1リットル70円前後と軽油が安かった頃のようなメリットも薄れた。ジムニーも軽自動車の中では重たくて燃費も悪いRV車だが、納車して最初の給油計算ではパジェロの2倍走った!
 ロングドライブで峠など少々回して走ったりもしたが、パジェロより燃費は良いのだから、初期投資やローンさえ終わればパジェロより毎月の維持費はダンゼン安い・・・ハズ。


(※納車から約9ヵ月・・・2012.3記)
 長距離ドライブでは燃費も14km/lまで伸ばせるが、冬は暖気や空吹かし、タイヤ空転で燃費も落ちる=乗り方の問題?
 平均では実質11km/lと燃費は良くない。80km/h以上など高速巡行が多いとグングン下がるので、大人しく60km/h平均での走行が燃費良いのだが、それじゃ面白くない。
 
※自家用ディーゼル車の危機 〜都会から消えていったクロカン四駆〜
 ディーゼルの黒煙は発ガン性物質が含まれるという「NOx」だが、その黒煙は全てにおいてイメージが悪いディーゼル車。だが地球温暖化の「CO2」の排出量はガソリン車の方が高い事実。ディーゼルだろうがガソリンだろうが、クルマに限らず化石燃料を燃やしているのだから、環境や身体に良くないのは同じこと。
▲TOP



■走行モード
  2WD
 
  4WD
  
PAJERO
2H(FR:後輪駆動)
4H(センターデフ付フルタイム4WD)
4HLc(ハイギア直結:センターデフロック)
4LLc(ローギア直結:センターデフロック)
JIMNY
2WD(FR:後輪駆動)
4WD(パートタイム4WD)
4WD-L(ローギア直結)
 
●4×4セレクト
 2代目パジェロから装備されたスーパーセレクト4WDは、パートタイム4WDのトランスファーにビスカスLSD付きセンターデフを追加し、「4H」ではセンターデフ式フルタイム4WDとほぼ同じ走行性能を発揮する。初期のパジェロと違って、デメリットは複雑な機構のため重くなること。
 パジェロでも普段は一年中「2H」、たまに「4H」くらいしか使わないから“持ち腐れ装備”?ではあったが、冬は生活の中や探索ドライブでもスタックする場面はあるから、選択肢があるだけ安心感はあった。素早く操作できるレバー方式はアイスバーンなどでのスリップ&ドリフト?した時などよく活躍した。
 JB23《5型》から装備されたドライブアクション4×4は、操作がスイッチ式(長押し)になり、電子制御になった「エアロッキングハブ」だが、選べるモードがシンプルな4WD機構は初代パジェロに戻った感じ。普段は「2WD」モード以外使わないだろうが、“カンタン操作”だというスイッチ式は、ダイレクト感もなく“長押し”して切り替わるまでの反応が鈍くて使いにくいのが残念。5MT車にはトランスファーも機械式のままマニュアル操作できるグレードを残して欲しかった。



▲パジェロ 前/後サスペンション

▲ジムニー 前/後サスペンション
■走行装置
 サスペンション形式
  前:

  後:
 ブレーキ形式
  前:
  後:
 装着タイヤ:
 (標準タイヤ)
 タイヤ&ホイール:
 重量(1本あたり)
PAJERO

ダブルウィッシュボーン式
 トーションバースプリング
3リンクコイルスプリング式

ベンチレーテッドディスク
ドラムインディスク
31×10.5R15
(265/70R15)
27kg
( ー )
JIMNY

3リンクリジッドアクスル式
 コイルスプリング
     同上

ディスク
リーディングトレーリング
185/85R16
(175/80R16)
20kg
(ノーマル:15kg)
比較結果







幅ー88mm
外径ー54mm

-7kg
( ー )
●サスペンション
 2台共パワーに対して重い車体だが、パジェロからの乗り換えだとジムニーは軽快に感じる。重量バランスからいえば、パジェロはドッシリ安定しているように見えて、重いディーゼルエンジンを積んだショートボディではフロントが重くリアが異常に軽い“フロントヘヴィ”。雪や凍結路では4WDモードでもFFに近い感覚の場面もあり、2WD(FR)では踏ん張りが効かない。重いスペアタイヤ(約27kg)を背負っていても、ほとんどフロントに負担がかかる感触なのだ。
 それに比べるとジムニーは重量バランスが良いのか、リアにしっかり力が伝わり、雪や凍結路で2WD(FR)走行でも尻が滑ることが少なく安定している感じだ。(2011.6)

 サスペンションについては、どちらもショートボディで路面凸凹のギャップは良く跳ねて飛ぶクルマだから、その挙動もほとんど変わらない感覚。ジムニーパジェロに比べ、動きが少しだけ細かく忙しない感じだが、それほど気にならない。普通車からの乗り換えなら馴れない感覚だろう。サスがヘタるまではノーマルでも十分に思えた。

 ジムニーのスプリングはコーナリングでクニャクニャするとか言われてるが、パジェロ乗りにしてみたら全然一緒。ちょっと勢いよくコーナーに入るとパジェロではタイヤが鳴りまくるカーブでも、標準HTタイヤのジムニーなら、ロールは出るが軽快に旋回する。普段の足、オンロードのドライブなど通常の使用域では特に問題なかった。

 パジェロの場合「H」「M」「S」と可変ショックを車内から切り替える豪華装備があったが、普段は固めの「H」で固定していた。オフロード走行や後部座席に客人を乗せる時は、酔いそうな?フワフワ設定「S」を使うくらい。
 トレッドが狭いのが大きな要因のような気がするが、少しフラつく感じがあるジムニーのノーマル足は、ややソフトな感じでパジェロの「M」?くらいだろうか・・・オンもオフも全てそつなく走れる設定かと思えるノーマルの足回り、もし車高アップするならノーマルより走りにくくならないよう気をつけたいところだ。

(※納車から約9ヵ月・・・2012.3記)
 納車前の短い試乗では↑のような感覚だったが、初の冬季シーズン3ヵ月を過ごしたジムニー・・・パジェロと変わらないかな。試乗時と路面コンディション、装着タイヤにより違いはあれど、ブラックバーン、アイスバーンなど摩擦係数"0"のような路面で2WDでは新品スタッドレスでも軽いリアは全然グリップしない。尻振って楽しくドリフト三昧になった。
 乗り心地は問題ないが、段差などではガツン!とショックの当たりが堅め、凸凹ラフロードや段差・穴など、もう少しショックの減衰力の幅が欲しいというか吸収力・柔らかさが欲しい感じだ。

●ブレーキ
 重量に対してのブレーキの効き具合も、あまり変わらない感覚に思うが、ヘビー級のパジェロより止めやすい・・・かも?
 しかしカプチーノも同じなのだが、ブレーキの踏む感覚はムギュ〜っとしてて反応がやや甘い。これはバイクのカチッ!っとしたダイレクトなブレーキタッチ、メッシュホースなどを経験すると、どうしても気になるところであって、別物と思い馴れることかな。メッシュホースでも入れたいが、入れるならカプチーノが先だ。

 現行ジムニーはABSが全車標準装備なので選択の余地は無い。ABS付きだったのは3代目パジェロで、そのガクガクとした挙動が気持ち悪く、不意に効き出すABSが邪魔になる場合やヒヤリとする場面もあった。しかしABSも15年前よりは性能も良くなった?のか、ジムニーのABS作動はあまり気にならない。それでも、冬場はABSが稼働する場面が毎日ありそうだから、そのABSの挙動が邪魔になるようなら小細工か?

●足回り
 見た目を比較すると、パジェロはノーマルでもワイドフェンダーのホイールハウスが大きく口を開けているので、大径タイヤでもクリアランスに余裕がある。しかし縮小サイズなジムニーは、ホイールハウスに余裕が無いサイドビュー。前後から見ても、いかにも踏ん張りが効きそうなパジェロに対し、ジムニーは倒れそうで頼りなく思えるが・・・
 ジムニー標準装着の街乗り用HTタイヤはオフ車に乗っている気がしない静かさ・・・オンロードがメインならHTタイヤだが、ウチには役不足。検証が済んだら処分確定。夏タイヤは好みのホイールとセットで、オールラウンダー仕様のATタイヤに変えて175→185にサイズアップしてしまいます。
 標準タイヤ&ホイールSETより(1本あたり)5kg重くなったが、少し出足が遅くなった?と感じる程度でハンドリングは変わらないしロードノイズも気にならない。パジェロの巨大で重いタイヤに比べれば、片手でラクラク持てるジムニーの足はずいぶん軽いもんです。(タイヤが軽いと交換もラクになり、腰痛持ちには非常にうれしいね・・・)


 車重や車体バランス、タイヤも違うから、単純な比較はできないが、タイヤが細いと接地面積が小さくなった分、雪道&アイスバーン走行がどう変わるのか?・・・雪国ではスタッドレスタイヤの性能が重要なのだ。ジムニーのバランスとスタッドレスタイヤの組み合わせによる、冬道の走破性能が高いことを願う。
 あまり大きく&太くしても重くなって鈍足になってしまうので、1サイズアップの185にするのがベストに思える。クロカン走行なら足回りは互角かもしれないが、ジムニーの方が小さく軽い分、パジェロに勝るのかもしれない。
 その昔、仲間とオフで遊んでた頃、ジムニー(JA11・12)はワイドタイヤ履いた大型四駆を差し置いて、どこでも走ったもので実際に最強だった。少し大きくなったJB23Wでもイケイケなのか?・・・オールシーズンでの実績はこれからだ。

 (2011.6)
▲TOP



●J23W《〜4型》と《5型〜》の比較 +パジェロ&パジェロミニ(参考)
 1998年に発表された3代目ジムニーJB23Wも12年で8代目だ。ほとんど変わらない外観だが、進化を続ける3代目が目指したのはオフロード走破性能のほかに、普通車のように高速道などを快適に走れることも求められた。だが2004年《5型》からはギア比も見直され、二駆&四駆のトランスファー切り替えは、レバー式からスイッチ式へと変わったが・・・

■変速比
 1速:
 2速:
 3速:
 4速:
 5速:
 R:
 Hi:
 Lo:
 H/L:
 Final:
《〜4型》
4.031
2.391
1.513
1.000
0.790
4.173
1.320
2.145
1.625
5.375
《5型〜》
5.106
3.017
1.908
1.264
1.000
5.151
1.320
2.643
2.002
4.300
パジェロ
3.952
2.238
1.398
1.000
0.761
3.553
1.000
1.900
 ー
4.361
パジェロミニ
4.200
2.450
1.524
1.000
0.807
3.776
1.225
2.008
 ー
5.625
 明らかに変わっている数値だが・・・実際はどうなのか?
 購入前、実際に《3型》MT車と《8型》MT車・AT車を試乗をしてみた感覚を伝えるなら・・・まったく別物といえる乗り味だった。《5型》からは低速トルクが大きく見直されているようだ。

●《3型》の試乗
 わずかな時間だったが、まだ雪残る国道と住宅街を試乗。最初に乗ったのは、走行距離8万キロほどの中古《3型》。経年劣化でゴムブッシュなどヘタリも色々あるのか、シフトレバーの入り具合も1代目パジェロのように甘くてクラッチも浅い! 後期型カプチーノと同型K6Aが進化したエンジンだが、軽自動車ターボ特有のピーキーさが強くて、浅いクラッチをつなぐのに馴れず、軽いアクセルにやや吹かし気味になってしまった。まるでカプチーノでオフロード気分・・・
 低速トルクが太いパジェロと比べ、オフロードをドコドコとトルクで粘り強く走らせるのは難しい〜!個体差も多少あるとは思うが、クラッチが軽くて、半クラッチなどにゆとりが無い《3型》の乗り味は“馴れ”が必要になりそうだった。冬場、住宅街などの雪道や凍った凸凹道では、この元気なエンジン特性のコントロールに馴れるまで時間がかかりそうに感じた。

●新車《8型》の試乗
 そして最新型のジムニー《8型》MT車の試乗は、店の敷地内だけだったがジムニーX-Adventure XA(40周年記念のシンプル仕様600台限定)を試乗させてもらった・・・シフトレバーは新車だけに?少ししっかりしていた。
 アクセルOFFのままクラッチを静かにつなぐ。するとパジェロと変わらずスルスルと動き出した!パジェロと比べても違和感がなく、軽ターボ車を感じさせない。滅多に運転をしないヨメでも、すんなりとジムニーのクラッチをつなぎ、パジェロ感覚で動かせた。
 その後、近所のディーラーで新型の《8型》AT車を試乗した。冬の国道、住宅街、凍結路・・・“常用”車として申し分ない。普通車や《4型》以前のジムニーから乗り換えた人は、ややモッタリと鈍重に感じるかもしれないのかな。
 しかしパジェロ乗り20年からすると、非常にパジェロに近い感覚でドライブできる。先に試乗した中古《3型》に比べ、挙動も落ち着いた感じでジンワリと走り出せる。AT車に限ってのフィーリングかもしれないが、《8型》なら悪路や雪道での微妙なコントロールも対応しやすいのではないだろうか。
 マイナーチェンジによる違いが、これほどあるとは思わなかった。速さではなく、長距離クルージングや林道ツーリングの快適さを求めているのだから、最新ジムニー《8型》が20年乗り馴染んだ相棒パジェロにいちばん近い特性だった。
 (2011.4)

●2011.6/18 ジムニー納車
 そして納車したマイカー《8型》MT車、試乗したAT車との違いはどうか・・・
 最初に思ったことは、ハンドルは遊びが少なくクイックな割に、MTシフトが割とフニャフニャだということ。初代パジェロを思い出すようなシフト感覚だ。ストロークが浅く入りが甘い感じで、3速など手を掛けていると“カコン”と簡単に抜けてしまうほどだ・・・やや甘い造りにしたのか?まだ新車なので、それなりにカチッと決まるが経年したらどうなるか?
 そしてクラッチ。クラッチのつながりが半端な位置で、エンスト多発・・・目一杯踏み込むと深すぎて、ペダルの位置を少し手前に変えた方が良さそうだ。

 しかし・・・走りの方は申し分ない。スタートダッシュも悪いワケじゃない。遅いとかいう評価を目にするが、何と比較してのことなのだろう?? シグナルレースじゃないし、普通に走るには十分ですよ。
 ロングドライブに出てよく走る峠ルートを走っても、カプチーノ気分でパジェロを運転しているような感覚で、とても速くクイックに走れる。小さくて車高が高い分、コーナーでのロールがどうかと思ったが、クルージングなら全然問題ない。
 パジェロとカプチーノを合わせたようなジムニー、両車の間を埋めるようなポジション・・・カプチーノの醍醐味が少し薄れるかもしれない(汗)楽しさだ。
 軽自動車だから内装や外装など簡素ではあるけれど、走りの方はオンもオフも楽しく、末永く?オールラウンダーとして満足出来そうなジムニーです。
 (2011.6)

▲TOP
 Powerd by Susie
 Copyright © GARAGE S All Rights Reserved.

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送